Vitsœ ヴィツゥのヴィジュアルデザインは美しい。

製品はもちろんのことヴィジュアルデザインからキャッチコピーまでどれをとっても伝えたいコトが明確なヴィツゥの優れたコーポレートアイデンティティ。グラフィック・デザイナーウォルフガング・シュミットが退いた現在でも素敵なクリスマスカードや新しくデザインされた印刷物がヴィツゥから送られてきます。さて、美しさは今も変わりのないヴィツゥのグラフィックデザイン、いったい誰のデザインなのでしょうか?ヴィツゥのヴィジュアルデザインを受け継ぐドイツ人グラフィックデザイナーBERND GRETHER氏。気になるコトをちょっと聞いて見ました。

Photo : Rick Pushinsky

Q.バーンドさんの作品がヴィツゥから送られてきたとき、とてもハッピーな気持ちになりました。

 

バーンド氏.

ありがとう。そういってもらえるとたいへん嬉しいですね。

 

 

Q.現在ヴィツゥのヴィジュアルデザインはどの範囲まで手掛けているのですか?また、デザインにおいて特に意識しているコトは何でしょうか?

 

バーンド氏

ヴィツゥに関するグラフィックデザイン、製品のパッケージやウェブサイトなどすべてのグラフィックデザインを2010年から私が担当しています。とは言っても、わたしの大半のデザインはヴィツゥの歴代グラフィックデザイナー、ウォルフガング・シュミットやトーマス・マンスのヴィジュアルアイデンティティのデザインに、より忠実なデザインです。ヴィツゥでのデザインは劇的に何かを変更していくというよりも、一歩一歩のより良い変化のプロセスを大切にしています。ヴィツゥのプロダクトはとても誠実で均整の取れた美しいものです。きっちりとシステム化されているところも素晴らしいところでしょう。意識しているコトはこれらすべての要素を僕のデザインに取り入れるコトですね。

 

 

Q.ウォルフガング・シュミットはドイツでは広く知られたグラフィックデザイナーでしょうか?

 

バーンド氏

ウォルフガング・シュミットに個人的に会ったコトはありませんでしたが、もちろん知っていますよ。とてもラッキーなことにヴィツゥのロンドン本社は彼の貴重な作品と多くの資料を所有しています。これはたいへん素晴らしいことですが、残念ながらウォルフガング・シュミットの素晴らしい作品に値するほど、ドイツではあまり広く知られていないデザイナーなのではないでしょうか。彼は1987年頃から突然姿を消してしまいました、そして1995年に再びスポットがあてられた時にはかなり体調を乱していたようで、その後亡くなりました。体調面もあり、表立った活動をしていなかったことも一般に知れ渡らなかった要因かもしれません。僕の知る限りシュミットは1992年に発行した「Worte und Bilder」という一冊の作品集しか残していないと思います。

 

Q.ヴィジュアルデザインはその企業イメージを大きく左右するものだとおもうのですが、デザイナーによってはいわゆる台無しにしたり、驚くほど斬新に生まれかえたりと、、非常に重要な役割りを担うものですね。

 

バーンド氏

デザイナーによくあることは何か新しく斬新なデザインや、前デザイナーとはどこかで差別化をはかりたいという欲があります。この欲はデザイン自体には必要のないものだと考えています。

私たちの世界は常に変化し技術の進歩にも驚かされる毎日です。ただし、デザインにおいてはどうしてもという必要性がなければ革新的な驚きという変化は不要だと考えています。あえてデザインに個人的な何か新しいモノをつけ加えるコトをしたくはありません。僕は何か古いものをチマチマといじるコトが好きなのです。ヴィツゥに関して言えば、ウォルフガング・シュミットのヴィジュアルデザインはかなり完成されたモノで十分に熟成されています。未来に向けて、または時代にあわせ、僕の仕事はちょっぴりと少しだけ調整していくコトなのです。

 

 

Q.シュミットのユーモラスと躍動的なインパクトに比べてあなたの作品はいい意味で静寂でとてもポエティックな印象を感じます。

 

バーンド氏

シュミットは50年代後半60年代当時のグラフィックデザインに見られる「スイス」スタイルを好み、70年代からはより実験的なスタイルへと変化していきます。彼が残したヴィツゥのためのごくごく初期の作品は非常にマジメといえるものでしたが、徐々に彼のユーモアが作品に現れていきますね。おそらくニールス・ヴィツゥとシュミットは同じユーモアのセンスを持ち合わせていたのではないでしょうか。僕の作品はどちらかというとシュミットの初期の作品に通づるものがあると思います。僕の作品は静寂であり、おさえたデザインなんです。ディーター・ラムスの作品で僕の最も好きな要素は、その静寂さなんです。一目ではわからないけども、よくよく目を凝らしてみれば、ごちゃごちゃとしていないその静寂さの中に美しさを感じるはずなんです。

 

 

Q.やはりラムスのプロダクトは好きなんですね。何か所有しているのですか?

 

バーンド氏

ブラウンもヴィツゥも大好きですよ。自宅には壁一面に606ユニバーサル・シェルビング・システムをインストールして祖父から譲り受けたL450スピーカーも飾っています。65センチ幅のL450はぴっしりとシェルフに収まるので相性はもちろん完璧です。それから90年前半にチャリティバザーでみつけたブラウンのスクイーザー。子供の頃、両親がこのスクイーザーを稼働させたらとんでもないノイズを放っていてね、これを見るとアノ騒々しい日曜日の朝食を思いだします笑。

時計はルブスのAW10をそれぞれ色違いでコレクションしています。

 

 

 

Q.バーンドさん、今後やりたいコトはどんなことですか?

 

バーンド氏

いまは、僕がヴィツゥでやりたかったほとんどすべてのコトをやってきました。今後は少し他のクライアントへの活動範囲も広げていくつもりです。僕は紙媒体のデザインが特に好きなのですが、もっとデジタルな分野など、デザインの幅を広げていこうとは思います。近々日本にいきますので東京で会えると嬉しいですね。

 

 

TDWにあわせて来日予定のバーンド氏 東京の街とデザインがどう映るか話のつづきをしたいものです。どうもありがとうございました。

 

 

 

Bernd Grether の公式サイト

http://www.berndgrether.de

 

Vitsœ Designer BERND GRETHER x SUPERVION

2014 10月4日

WWW.SUPERVION.COM